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※最初の方は某Wikiからの使い回しです。ifルートとしてご了承ください。 今日のおやつはつぶあん饅頭だ。もっとも、私はまりさが食べるのを見てるだけなのだが。 「はむはむ……」 「もくもく……」 「しあわせー!」 (……) 「おねえさんおいしいよー!」 「そう、よかったわね」 私は食べるゆっくりを見ながら積年の――実際はつい最近考え始めたことなのだが――疑問を考えていた。 ゆっくりはおいしいのだろうか。 「食べないで味を語るのは知性の敗北……」 「ゆっ?」 「あ、食べ終わったのね」 「ごちそうさま!」 「おいしかった?」 「うん!」 「私のこと好き?」 「うん!」 「お願い聞いてくれる?」 「うん!」 「まりさを食べてもいいかしら」 「…………」 「だめ?」 「……いいよ!」 「あら」 意外な反応だ。 「でもちょっとだけだよ! 全部食べちゃうとゆっくりできないからね!」 「痛くないの?」 「痛くないよ! ちょっと食べるだけならすぐ直るよ!」 なんと。……というか食べられたことがあるのだろうか? 「じゃあ、ちょっとだけ貰うわね」 そう言ってまりさの頬に手を添える。肌に手が触れたとき、僅かにまりさは震えた。 「怖いの?」 「ちょっとびっくりしただけだよ! 痛くないし平気だよ! おいしいよ!」 「そう……」 もう片方の手を添えて、力を入れてみたが……千切れない。 「直接齧った方がよさそうね」 「ゆっ」 抱き上げたときにまりさは小さく声をあげた。頬にキスするように目を瞑り顔を近づける。品よく小さく口を開けて……噛んだ。 「……」 あったかい。餅肌……もとい、餅そのものの食感の直後に、表皮と変わらぬ温度の餡子が口の中を泳ぐ。……美味しい。 数回咀嚼をした後、目を見開いて食べ跡を見た。鈍く餡子が出血のように滲み出ている。怪我の跡を直すときのように優しく舐めた。 しばらくして傷は自然にふさがった。再生力が高いのは本当だった。 「おいしかった? ゆっくりできた?」 「とってもおいしかったわよ。毎日食べたいくらい」 「……よかった! いつでもゆっくり食べてね!!!」 まりさもとても喜んでいた。饅頭らしく、食べられることが嬉しいのだろう。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!!!」 神社の境内で跳ねまわる二体のゆっくりたち。部屋の中まで声が外の声が聞こえてくる。微笑ましい光景だ。 「いつのまに仲良くなったのかしら」 「まったくね。今日になって突然『きょうはれいむのところでゆっくりする約束してるよ!』だもん。いつの間に、って話よ」 当の私は部屋で霊夢とお茶を楽しんでいた。……今日は魔理沙はいない。魔理沙は…… 「どうしたの、急に浮かない顔しちゃって」 「あ、いやいや」 表情に出ていたらしい。……悪い癖だと思う。 「ふーん……」 「と、ところで、ゆっくりのことだけど」 「?」 「痛みを感じないっての知ってた?」 「……え?」 あからさまに霊夢は怪訝な顔をした。どうやら知らないようだ。 「千切れたり餡子が漏れたりしてもちょっとなら大丈夫なのよ」 「そんなはずはないわ。だって、家のゆっくりが肉まん……いや、ゆっくりレミリアに悪戯されたときすごく痛がって泣いてたもん」 「え、そんな。じゃあまりさが特別なのかな……」 霊夢がこちらに身を乗り出してきた。 「ねえ、アリス。あの子、貴女に喜んでもらうために、痛みを堪えてたんじゃないかしら」 「!」 「あの子はゆっくりの中ではおとなしい方よ。我慢もできる。……それに、貴女のことがとても好きみたいだし」 「ま、まりさ……」 私は……私は…………。 「れいむ、ゆっくりしたよ!!!」 「「!」」 私と霊夢がほぼ同時に振り向くと、そこにはれいむが右に、まりさが左に並んでいた。基本の配置だ。 「ああ、もうそんな時間ね。じゃあ、悪いけどアリス、そろそろ……」 「あ、うん。帰りましょ、まりさ」 「はーい!」 なんだかばつが悪くなってしまい、まりさを抱えて早々と博麗神社を後にした。 「すっかり遅くなっちゃったわね」 「ゆっくりした結果がこれだよ!」 「ふふ」 人気のない道で、ただ虫だけが声を立てていた。 「……ねえ、まりさ」 「ゆっ?」 「食べられて、痛かったでしょう」 「! …………」 まりさは俯いて震えていた。それからしばらくして、抱き上げた腕に水が伝うのを感じた。 「ごめんね。もうあんなことしないからね……」 「ゅっ……」 まりさを強く抱きしめたとき、私の頬にも同じものが伝っていた。 (つ∀;)イイハナシダー スゴクイイハナシダーーー -- 名無しさん (2008-12-09 01 55 34) このシリーズに出てくるアリスってゆっくりまりさのことをただの魔理沙の代用品としか見てないためか絆を全然感じない。アリスが魔理沙のことを嫌いになったらまりさも平気で捨てそうだ。 -- 名無しさん (2010-04-21 12 44 59) いい話だ。互いに想い合う。すばらしいね。 -- 名無しさん (2010-11-27 14 32 41) スーゴークーイイハナシダナー -- ちぇん飼いたい (2012-02-27 20 19 22) チョ―――――――いい話ダワ -- 名無しさん (2012-04-23 22 05 30) あれ、目からヨーグルトが・・・ -- 名無しさん (2012-07-31 17 59 44) だばーーーーだばばーーーー -- 魔法使いさん (2012-08-09 17 57 07) あれ、目からヨーグルッチが・・・ -- 名無しさん (2012-12-12 17 22 57) 饅頭食えなくなっちゃう -- 名無しさん (2014-09-22 09 37 26) 名前 コメント
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制裁ものじゃないと罪悪感を感じる方は注意 ある日の昼下がり、ゆっくりれいむは博麗神社の縁側でお昼寝をしていた。このゆっくりれいむは以前神社の中のおせんべいを 勝手に食べてしまって、巫女である博麗霊夢に叱られ、追い出されそうになったゆっくりであった。 その際にゆっくりれいむが行く当てもなかったところを見かねた霊夢によって飼われることとなった。 今では神社の中でゆっくりする居候またはペットとなっている。 「れいむ~。おやつよ~」 「すぐにゆっくりいくね!!おやつ♪おやつ♪」 今ではおやつを一緒に食べる。 「れいむ、こっちにいらっしゃい。一緒に食べよう。」 霊夢がれいむを膝の上に招く。 「ゆっくりできるね♪れいむのおひざやわらかくてきもちいい♪」 縁側で霊夢はれいむを膝の上に乗せて、おやつを食べることにした。日向でお昼寝をしていたれいむはほかほかと日の光を吸収して暖かい。 このゆたんぽのような暖かさが心地よい。ちなみに夏には冷やして冷やし饅頭になるので、これがまた気持ち良い。 「ほら、こぼしそうになっているわよ。しょうがないわね。」 そういう霊夢は普段他者と接する時と違って柔らかい物言いだった。 「ゆぅ?れいむ、ありがとね!!ゆっくりたべさせてね!!」 れいむは食べるときにこぼしてしまうので、霊夢が手をそえてゆっくり食べさせてあげるのだ。 最初は掃除の手間を省くためにこうしたのだが、今ではこの位置が一番しっくり来た。 霊夢にとってはれいむの暖かさと柔らかさを感じることができ、安らかな気持ちになれる。 そう、ゆっくりできるのだ。霊夢は元々面倒くさがりなところがあり、暇さえあればお茶を飲んでいた。 暇な時間を一人で満喫することは確かに味わい深い。しかし、れいむが来てからは、 だれかと一緒にゆっくりすることをより楽しめるようになっていた。 今では毎日のお茶の時間が本当に楽しみである。 「れいむ、れいむ、おやつありがとね!!おれいするね♪」 そう言うとれいむは縁側で霊夢を招いた。そうすると霊夢が寝転がる。れいむは霊夢の枕になった。 「あ~、ふわっとしてあったかい。れいむ、気持ちいいわよ。ありがとね。」 そういうとれいむは満足げな表情をした。それはどこかふてぶてしくて偉そうだ。 けれども霊夢はそんなれいむをみてほほえましく思った。すこし背伸びがしたい、 かまってほしいと思っている妹がいるとこんな感じなのかと思った。 そうすると、友人の霧雨 魔理沙が尋ねてきた。何でも異変の兆候があるらしい。霊夢は身支度を整えると、 「これから出かけてくるからね。おみやげもってくるからいい子にしてまっているのよ。」 「うん!ゆっくりいってらっしゃい!!」 れいむは満面の笑みで霊夢を見送った。本当はもっと霊夢と一緒にゆっくりしたかったが、 異変解決が巫女の仕事なのだから仕方がない。れいむは仕事で疲れた霊夢が帰ってきたときに たくさんゆっくりしてもらうためお手伝いをしようと思った。口を使ってちりとりをくわえ、器用に掃除をしている。 霊夢が帰ってきたときにほめてもらいたい。なでてもらいたい。れいむは霊夢の事が大好きだった。 そのとき、 神社の上空より鳥がれいむ目掛けて急降下した。れいむは鈍重な動きと警戒心の少なさから、以前より目をつけられていた。 そして巫女がいないところを狙われたというわけである。 あっというまにれいむは鳥に捕まえられ、空高くに連れ去られることとなった。 「ゆぅ?おそらをとんでる!!たかい♪たかい♪」 れいむはまだ現在の状況を把握していないようだった。 霊夢の愛情に守られていたれいむには、これからどのような地獄が待っているのかまったく理解ができていなかった。 だんだん神社が遠ざかってくる。さすがにおかしいと感じたのか、れいむは 「ゆっくりれいむのおうちにかえしてね!!れいむのおてつだいおわっていないの!!」 と催促するが、鳥に言葉がわかるわけはない。 しばらく飛んで、れいむは鳥の巣に落とされた。鳥はそのまま次の獲物を求めて飛び去っていく。 れいむの目の前には鳥の雛達がいた。目の前にはぴぃ、ぴぃと雛たちが自分目掛けて擦り寄ってくる。 よちよちとゆっくりしたペースだ。 「ゆっくりしてる~♪」 野生から遠ざかったれいむは自分に向かってくる雛達を何の警戒心もなく近づけてしまった。 雛たちを可愛いと思ってしまっていた。あるものを忘れていたためにこのような愚行を犯してしまった。 野生の法則 弱肉強食 「いたい!いたいよ!とりさんやめて!!」 雛達はれいむのことを食料としてしかみていなかった。抵抗手段を持たないれいむは雛達についばまれていく。 小さなくちばしによるついばみは、ひとつひとつはたいしたことはなかった。しかし大量の雛、 それもとても飢えているので、久しぶりのご馳走にありつこうとみな必死にれいむをついばんでくる。 「ゆっ! ゆ゛う゛う゛うううううっ!!!やだよ!れいむはおいしくないよ!!」 生態系の最下層、動く食料のゆっくりにはあるまじき発言である。くすぐったさといたみとかゆみが同時に襲ってくる。 「れいむたすけてよ!れいむー!!!」 しかし霊夢は助けに来ない。異変解決に向かっているので当然である。 ひなのくちばしがついに中の餡子に届いてしまった。あふれ出す餡子。そしてそこに群がる雛達。 地獄の蹂躙劇がついにクライマックスへと突入しようとしていた。 しかし親鳥がいなかったことが幸いした。れいむは巣から転がり落ちることによって、うまく雛達から逃れることができた。 れいむはまた逃げていた。神社へとたどり着くことを願っていた。 しかし神社がどこにあるのかはわからなかった。 それでもまったく動かなければ餡子におびき寄せられた虫達の餌食となってしまうのである。 先ほどついばまれたところがかゆいと思ったら、蟻がたかっていた。れいむはあまりの気持ち悪さにどうにかしてしまいそうであった。 転がって蟻をふりはらうとすぐに逃げる。しかし蟻達はしつこく追ってくる。 「れいむじにたくないっ、れいむじにたくないよっ!!!ゆっぐりじたいよぉ!!」 れいむはゆっくりできなかった。蟻達は大群をかたどって襲い掛かってくる。一匹でも再び侵入を許せばそれまでだった。 はやく、はやく跳ね、少しでも遠くへと逃げようとした。それがれいむの餡子をこぼし、より多くの蟻をおびき寄せることとなっていた。 「ゔわ゙ああああああん!な゙んでえええええ!!な゙んでづいてぐるのぉぉぉ!!」 れいむは逃げる。 餡子がこぼれる。 逃げる。 こぼれる。 こぼれる。 こぼれる。 ついてくる。 しかしなんという幸運か、目の前には浅い水溜りが道を横切っていた。 れいむは全身全霊の力を使って飛び跳ねた。蟻達は追ってこない。上手く逃げ切ることに成功したのである。 「ここどこ・・・。おうちかえる・・・。れいむにあいたい・・・」 もはやどこが神社か完全にわからなくなっていた。しかし幸運にも目の前には民家、そして畑があった。れいむは民家を尋ねた。 しかし誰もいなかった。何か食べたい。ご飯をもらいたい。れいむはたいりょうのあんこを失っていたため、早く栄養を取る必要があった。 それなのに長い間飼われていたれいむはえさのとり方を忘れてしまっていた。 ふと目の前の畑に目が行った。たくさんの野菜がある。れいむはこれを食べれば傷がふさがるかと思った。 しかしそのとき霊夢の顔が頭に浮かび、以前しつけられたことが思い出される。 「今度からは勝手に人のものをとっちゃだめよ。悪いことなんだから。いい子にしていたら私がごはんをあげるからね。」 霊夢に嫌われたくない。今まで霊夢と過ごしてきた思い出が蘇る。 かまってほしさにいたずらをして怒られたことがあった。 逆に霊夢にいたずらをされたこともあった。頭からダンボールをかぶせられた。すねていたら、 霊夢が謝ってきてその後一日中遊んでもらったことがあった。 一緒に外に遊びに行ったこともあった。霊夢の友達にほっぺたをつねられたことを覚えている。 喧嘩をしたこともあった。あのときは何が原因だったのか覚えていない。れいむは都合の悪いことはすぐに忘れる。 しかし寂しくなって霊夢の布団にもぐりこんでしまったことは覚えている。喧嘩した後なのに霊夢は抱きしめて寝てくれた。 れいむは泣きながら謝った。 ひとりでゆっくりしていても楽しくはない。霊夢といっしょにいたい・・・。 「ゆ"っ・・ゆ"っ・ゅっ・・・・・ゆ"・・・・・ゅっ・・・・・・・・・ゅ゛・・」 体の中の餡子の3分の1がなくなってしまったためか、意識が朦朧としてきた。 目の前の野菜を食べないと決めたことで一気に今までのダメージが押し寄せてきたらしい。 もう動くことさえできない。 蟻達が追いついてきた。別の道を通ったのだろう。れいむの体内へと侵入し餡子をむさぼってくる。 もはや助からないことはれいむにもわかっていた。霊夢には二度度会えないと。 最後にいってらっしゃいと言ったことを後悔した。もっとわがままをいえばよかった。 少しでも霊夢と一緒にいたかった。こういうべきだったのだ・・・ ゆっくりしていってね、と 「今戻ってきたわよれいむ~。どこに行ったの~。おみやげ持ってきたわよ。いっしょにたべよ~。」
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はじめてのゆっくりSS ゆっくりよめないね! ある所に変わったゆっくり魔理沙が居ました。ですが、見た目も大きさもも全く同じです。 その子はたった一つだけ変わったところがありました。そのおかげでいつも独りぼっち。 そのせいでゆっくりすることができませんでした ですがその子は信じていました。いつか何処かゆっくりできる場所があると ―――とある森の中 「おーーいそっちに居るかーー?」 「いやーー全然いないな」 二人の男が大きな籠を背負い人里近くの林を歩いている。 「粗方ここ等辺のゆっくりを取りつくしてしまったのかね?やっぱり山狩りが効いたのかなぁ」 「まぁそうらしいな。いずれ増えるとは言え、居て欲しくもない時にたくさん居やがる癖に こういう時に限って居ないとはな…冬になる前にできるだけ捕まえて宵越しの銭を稼ぎたいってのによ」 2人の男がため息をついてると何処からともなくか細い声が聞えてきた 「むきゅー!むきゅー!ゆっくりしんでね!」 「おい…この声」 「間違いない…ゆっくりパチュリーだ。今日はツイてるぜ」 2人の男は顔見合せると互いに頷き静かにそこへ近づいた。そして物陰から声のする方を覗くと意外な光景が目に入 「むきゅー!むきゅうー!偽ものはゆっくりはやくしね!」 ゆっくりパチュリーがゆっくり魔理沙に圧し掛かり、ゆっくり魔理沙が押しつぶされよう・・・・・と言う風には見えず、2匹でじゃれあってるようにしか見えない。 しかしゆっくり魔理沙の方はかなり衰弱してるらしく、涙とその他体液でグチョグチョになりながらも必死に逃げようともがいている ゆっくり種の中で最弱であるゆっくりパチュリーにゆっくり魔理沙がゆっくり苛められているという何ともきみょんな光景が繰り広げられていた。 「や゛あ゛あ゛ぁー!おあちゅりー!お゛れ゛ま゛り゛さ゛いじめないでだぜー!」 「おれまりさはゆっくりしね」 男達が驚いたのはその光景でなく別の事だった。男たちは茫然と互いを見るとすぐさま我に帰り動きだした ガボッ! 「む…むきゅ…む…」 ゆっくりパチュリーの顔面に小石がのめり込みゆっくりパチュリーあっさり息絶えた ゆっくり魔理沙は突然の事に呆然としたが我に返り、目の前に突然現れた男達に弱弱しくか細い声でこう言った 「おにいさんたちはゆっくりできる人だぜ?」 2人の男は満面の笑みを浮かべて口を揃えてこう言った 「「ああ!できるとも」」 「やっと…おれ…ゆ…っくりできる…ぜ」 と言うとそのまま寝息を立て始めた 一人の男ゆっくり魔理沙を大事に抱えると二人は幻想郷の外れにある竹林へと向かった .............. .......... ...... ... . 一面にお花畑が広がっている。心地よい風に乗って花の香りが漂い、その中を蝶が舞う平和な光景が広がっている そのお花畑の中に洞の空いた切り株が一つ。そこにゆっくり魔理沙が住んでいた。 物心ついた時からずっと一人ではあったが幸いにも食料とゆっくりする場所には困ることはなかった。 しかし一緒にゆっくりする相手が居なかった。ゆっくりは一部を除きを生涯の大半をゆっくりする相手と過ごす 「おれまりさもだれかとゆっくりしたいぜ!」 顔は笑っていてもどこか悲しげに呟いた。 黄昏ているとどこからともなく賑やかな声が聞こえてきた 「ゆっくりできるね!」 「ちーんぽっ!」 「むきゅう!」 ゆっくり魔理沙が近づいて見ると3匹のゆっくりが蝶をおっかけて遊んでいた。ゆっくり魔理沙にとっては初めて見る同種だった。 嬉しく思いつつも今まで孤独だったゆっくり魔理沙にはどう声をかけ良いかわからなかった 「だれかゆっくりしてるよ!」 ゆっくり霊夢が言うと他の2匹も気づいて3匹はゆっくり魔理沙の元にまる 「いっしょにゆっくりしようね!」 「ちーんぽっぽ!」 「むきゅ!」 「おれまりさもいっしょにゆっくりするぜ!」 始めて声をかけられたゆっくり魔理沙は大きな声でと叫んだ…が その次の瞬間騒いでいた3匹が急に黙りこくり、冷たい視線を投げかけた 「どうしたんだぜ?」 「こいつまりさじゃないよ」 「むきゅ!まりさはおれなんていわないよ!」 「おれまりさだぜ!」 何度も自分はゆっくり魔理沙と訴えるが3匹は冷たい言葉を浴びせかけて否定する 「きもわちるいからゆっくりどっかいってね!」 「ゆっくりさわらないでね!」 悲しくなってゆっくり魔理沙は泣き出してしまった 「い゛っし゛ょて゛ぃゆ゛っぐでぃさ゛せ゛て゛よぉぉぉぉぉッ!!」 3匹は泣き叫ぶゆっくり魔理沙に困りはて相談し、そして霊夢が言った 「ゆっくりいうこときたらいっしょにゆっくりしてあげるよ!!」 「ほんと?ゆっくりきくぜ!!」 4匹は草原の開けた場所に出るとゆっくり魔理沙が中央に立ち、他の3匹それを取り囲むよう立った 「どうすればいいだぜ?」 そしてゆっくり霊夢が口を開いた 「ゆっくりけられてね!!」 そういうとゆっくり霊夢はゆっくり魔理沙にとびかかり弾き飛ばした 「だぜぜぜぜ!」 ゆっくり魔理沙は奇声を上げながらロケットの様に一直線に吹っ飛びながらゆっくりパチュリーの場所へ転がる 「ゆっくりとんでね!」 ゆっくりパチュリーが弾くと今度はボールの様に跳ねながらゆっくり妖夢の方へ転がる 「ちーんぽっ!」 ゆっくり妖夢は上空へと跳ね飛ばす こうしてしばらく間3匹の間を何度も何度も弾かれ転がされた。 そのせいで地面の砂利で表皮が傷つき顔の各所から餡が滲みだしている。顔は餡と泥にまみれて真っ黒になってしまった 「ゆっくりあきたね!」 「むきゅ!」 「ちんーぽっ!」 そう言うと3匹はゆっくり魔理沙を蹴るのを止めどこかへ去ろうとした。 「ま゛って゛ぇぇぇぇ!お゛れ゛も゛い゛っし゛ょに゛ゆ゛っく゛て゛ぃし゛て゛った゛せ゛ぇぇぇぇ!」 とゆっくり魔理沙が叫ぶと 「きもちわるいからゆっくりしね!」 というとどこかへ走り去ってしまった。 .............. .......... ...... ... . 「ゆっ!」 眼をうっすら開けるとそこには暖かな夕日の日差しが飛び込んできた。 眩しく一度目を閉じたがおかげで意識が覚醒した 「あらお目覚めかしら?」 ゆっくり魔理沙が声をする方を向くと銀髪の白衣を着た女性が座椅子に座りながらこちらを見ていた 「おねえさん…ここでゆっくりできるだぜ?」 「ええ…勿論よ。あなたは今弱っているからここでしばらくゆっくりしていきなさい。ご飯も持ってくるから少し待ってなさい」 「ゆっくり待つだぜ!」 ―――永遠亭 「まさか本当に実在してたなんて…」 2人の男は幻想郷のゆっくり研究の権威である八意永琳の元にゆっくり魔理沙を連れてきていた 「ゆっくり俺魔理沙…とある学者がその存在を何十年も前から指摘しながらも、証明できず周囲から『新参乙!』『俄かはカエレ!』 との批判を浴びて学会を追われ失意のうちに死んだが…最期までその存在を死の床で唱え続けたと言われる伝説の種…」 「はい俺たちも初めて見た時は目と耳を疑いましたよ!」 「いやぁツチノコ発見どころの騒ぎじゃないでしょうねぇ。あ…ツチノコはもう発見されてたな」 色めき立つ3人を横目にポカンとした表情でその様子を見る鈴仙と薄笑いを浮かべながらその様子を見ているてゐ 「全くあのどこにでもいそうな饅頭のどこが凄いのか理解に苦しむわ」 「鰯の頭も信心からウサ」 「何を言ってるの鈴仙!私たちは今歴史の目撃者なのよ!いい?この事が幻想郷の歴史さえ揺るがしかねないの!!わかる!?」 「は・・・はぁ。そもそもゆっくりってつい最近出現し始めたんですよね?刻む歴史なんて…」 「アナタ?後で新薬の実験台になりたい?」 「ひッ…ひぃーーーー!なんでもありません!」 続く? ゆっくり俺魔理沙 見た目・大きさ・生態全ては原種と変わらない突然変異種。一人称におれと語尾にだぜを使う点で区別できる。 他のゆっくりからは何故か嫌われており、ゆっくり魔理沙である事を否定されると「おれまりさだぜ!」と言うので余計嫌われるという 希少性ゆえにその価値だけは高いが滅多に見つかることはない 参考:どういう訳か愛されてるようです。アリガトね! (注:愛でWIKI作品) http //www33.atwiki.jp/slowlove/pages/28.html
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先日捕獲したゆっくり魔理沙に餌を与えてみた。 「ゆっ!」 餌を目にした瞬間、ゆっくりは体を膨らませ、目を輝かせた。 「はむはむはむ……めっちゃうめえ!」 私は餌に貪りつくゆっくりを無言で観察する。 見られていることを意に介さず、ゆっくりは一心不乱に食べ続ける。 「はむはむはむ……」 すべて平らげ、満腹になったようだ。 「しあわせー!」 「………………」 可愛い。可愛すぎる。 「ゆっ?」 私はゆっくりをそっと持ち上げ…… 「おねえさんどうしたの? おねえゆっ!?」 接吻した。 「ゆゆゆ……」 「うー! うー!」 息苦しく鳴く魔理沙が私の劣情を掻き立てる。 「ゆむむむむむむ…………」 「…………」 息苦しさのために魔理沙が喋らなくなったところでようやく口を離す。 顔を離すと、ゆっくりは泣いていた。 「ううう、アリスおねえさん、苦しかったよ」 私の舌と魔理沙の舌が一筋の糸で繋がってる…… 「あ……ぷはっ、ゅ、ゆっくりしていってね!」 ゆっくりの口って大きいから、キスというより、嘗め回すことになるのではw -- 名無しさん (2008-11-11 15 42 55) 歪んだ愛情とはこの事か、魔理沙に振り向いてもらえる事を祈る -- 名無しさん (2008-11-13 08 49 41) 「ぷはぁ(ry」を絵にした物をニコ動で見たぞww(無論、釣られ(ry -- 名無しさん (2008-12-09 01 35 07) あの画像が真っ先に(ry -- 名無しさん (2010-04-11 11 19 52) 某サイトの絵師さんを思い出したw -- 名無しさん (2010-09-27 22 59 06) どっかで見たことがある画像があった -- 名無しさん (2010-11-06 22 47 22) まか子の絵ってこれだったのか!!!! -- 名無しさん (2011-04-26 20 30 19) 名前 コメント
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「にんげんさんなんか、だいっきらいだぜ!!」 森の中で、いっぴきのゆっくり魔理沙が人間に対する憎しみを叫んでいる。 しかし、この魔理沙は、仲間が人間に殺された訳でも、人間に捨てられたわけでもない。 「いっつもおいしーものばっかりたべて、ふかふかーなべっどでねて、とってもゆっくりしすぎだよ!!」 そう。 この魔理沙は人間に嫉妬していたのだ。 自分たちよりも、ゆっくりしている人間に対して。 「ぷんぷん!! まりさおこったよ!! こうなったら、にんげんにいじわるするよ!! あやまってもらうよ!!」 「ゆゆゆ~~♪ れっれれいむ~~♪」 「ありす!! ゆっくりはやいよ!! もっとゆっくりしてね!!」 「みんなまっててね♪ まりさがもっとゆっくりできるようにしてあげるよ!!」 決心した魔理沙は、 森の中でのんびりと遊んでいる仲間の姿を目に焼き付け。 勢いよく森の中を駆け抜け、普段は近づく事の少ない人里へと入っていった。 魔理沙の心の中にあるのは復讐そのものだが、その眼はとても生き生きとしていて、とても復讐をする者の目ではない。 まるで、自分がゆっくりを代表して人間に制裁を加えるものであるかのような表情である。 あくまで人間と対等に付き合いができると思っているゆっくりにとって、自分たちと人間との差が開くことは決して許せることではないのであろう。 「ゆ!! そろ~~りそろ~~りだよ!!」 人里に着いた魔理沙は、そこから、人間に見つからないように慎重に移動していた。 幸い、昼間の通りは賑やかなもので、魔理沙が声を上げたところで気付く者はいなかった。 「ゆへへ。みつからないでこうどうしてるよ!!」 飼いゆっくりもそこらじゅうを歩いている中、一匹のゆっくりに注意を払うものなどいなかったのだ。 「ゆゆ!! あれはにんげんがあつめたたべものだね!!」 街の中心へ中心へと歩いていった魔理沙が見つけたのは、総菜屋の屋台であった。 数多くの食べ物が並んでいるその屋台には、多くの人間たちが詰めかけ、各々気に入った食べ物を買っていった。 「ゆっへん!! まりさたちのごはんをかってにあつめて!! そんなにんげんはゆっくりするしかくはないよ!!」 最初の目標を見つけた魔理沙は、人が引くのを見計らい、物陰から勢いよく飛び出し、数回の跳躍で屋台の上に飛び移る事に成功した。 そして、瞬く間に商品を地面に突き落としていった。 その間わずか数分である。 「ゆへへ~~ん!! かってにたべものをとるにんげんさんがわるいんだよ!!」 ゆっくりはんせいしてね!! その言葉を残して、一目散にその場を去った魔理沙。 上手く人ごみの中に逃げ込めたようで、出鼻を挫かれた人間たちはどうする事も出来なかった。 「ゆへへ♪ うまくいったね!!」 一方、作戦が成功した魔理沙は、再び物陰に隠れ、ほくほくの笑顔で今回の成果を喜んでいた。 「でもこれじゃまだだめだよ!! もっといっぱいこらしめて、にんげんさんにごめんなさいっていってもらわなくっちゃね!!」 そう言うと、魔理沙はさらに人間を懲らしめるために、再び身をひそめて行動を開始した。 何も知らない人間が見たら、活き活きしているをと思うであろう、キラキラと輝く瞳のままで。 「ゆっゆ~~♪ ここはにんげんさんがかってにゆっくりぷれいすにしたところだね!!」 次の目標としたのは、畑であった。 そこでは、ちょうど収穫時期になった野菜が、とても美味しそうに実っている。 みずみずしく、パンパンに育った野菜を見ていると、一瞬このままゆっくりと食べたくなった魔理沙であったが、本来の目的を思い出し、何とかその思いを封じ込めた。 「ゆゆ!! まりさがこんなにたべたくなったおやさいをかってにじぶんのものにしちゃうなんて、やっぱりにんげんさんはゆるせないね!!」 怒りにまかせ、どんどんと畑の中に入っていく。 ちょうど畑の中心あたりに来た時、魔理沙はピタッと立ち止まり、周りの野菜に視線を向けた後に行動を開始した。 「やさいさん!! ごめんなさい!! でも、にんげんさんをこらしめるのはこうするしかないんだよ!!」 次の瞬間。 その言葉を発した口で、実っている野菜を引きちぎり、地面に叩きつけ、踏みつぶす。 まるで鬼神が乗り移ったように、次から次へと野菜をつぶしていく。 その畑の全ての野菜が潰されるまで、それほど長い時間はかからなかった。 「お!! おだのはたげがーー!!!!」 食べ物が散乱とした畑に、しばし呆然としていた魔理沙であったが、遠くから人間の声が聞こえるとすぐに我に返り、気が付くと一目散に逃げ出していた。 「おおおお!! おらのとまぴーちゃんがーー!!!!!!」 残ったのは男の悲しそうな声だけであった。 次の日も、その次の日も魔理沙の奮闘は続いた。 「ゆゆ!! あっちからにんげんさんがくるよ!! ゆっくりにげるよ!!」 森の中を動く時でも、人間を避けて動くようになった。 その気分は、スパイのように魔理沙の感情を高ぶらせ、さらに大胆に行動するようになっていった。 「これもかってにとっちゃったものだね!!」 時には、綺麗な反物を汚水の中に落とし、 「ゆゆ!! にんげんにつかまっちゃったんだね!!」 「むきゅきゅ!! かえじで!! それはぱちゅりーがべんきょうしたあかしなのーー!!」 「むぎゅーー!! まっでーー!! ……まっで……ま…………」 時には、飼いゆっくりを襲い、その帽子に付いていたバッジを奪って逃げた。 そして、魔理沙が行動を開始してから一カ月がたった。 「ゆゆゆ!! もうすぐだよ!! もうすぐれいむたちもゆっくりさせてあげられるよ!!」 気温が中間を通り越し、一気に変わったのと同じように、既に行動を開始したのが遠い昔のことと感じている魔理沙にとって、 人間達もそろそろ己の行いを戒めているころだろうと言う実感が起こるのは当然のことである。 空を見上げれば、晴れ晴れとした空が高く上っている。 おそらくは、そろそろ実りの秋になる。 そうなったら、自分も越冬の準備をしなくてはならない。 いくら人間達が反省して、自分たちがゆっくりできるからと言って、越冬には大量の食材が必要になってくる。 「でも、ことしはいっぱいゆっくりできそうだね!!」 魔理沙はこの行動が無事終えた暁には、霊夢と夫婦になろうと決意していた。 もともと、小さい時から一緒に遊んでいた霊夢である。 自分たちにも、お互いを意識していることは分かっていた。 それ以上踏み込めなかったのは、単にタイミングが掴めなかったからであった。 「ゆへへぇ~~♪ れいむとたっくさんすっきりして、いっぱいあかちゃんをつくるよ!!」 「そうして、まりさのぶゆーでんをたっくさんはなしてあげるよ!!」 思い描いているのはバラ色の未来。 それは、綺麗すぎるほどであった。 季節は進む。 魔理沙はの行動もいよいよ終幕である。 「そうだ!! きょうは、ちょっとれいむのよ~すをながめてからいこ~ね!!」 そのままにこの物語を終えるのに、何か納得のいかないものがあったのだろう。 この日、魔理沙は街へ出かける前に、広場で遊んでいる霊夢の姿を一目見ようとコースを変えた。 久しぶりに通るゆっくり道。 草すらも踏み固められていない道。 いつもはほかのゆっくりで賑わっているはずのその道は、どういうわけか今日はシンと静まり返っていた。 「ゆゆゆ!! きっとみんなえっと~じゅんびでいそがしいんだね!!」 なんたって、食べ物はどっさりあるからね!! こんなにも早く、みんなが幸せになれるとは思ってもみなかった。 やっぱり、自分のしたことは正解だったんだね!! さぁ、ここを抜ければ霊夢達のいる広場だよ!! 「ゆゆ!! みんなでにげるよ!!」 「みんな? どこにいったの? ゆっくりでてきてね!!」 「ゆーー!! どうしてだれもへんじをしてくれないの!!」 霊夢の姿を見つけた直後、魔理沙はかくれんぼをしているのだと思った。 数秒後、霊夢が鬼になっているのだと思った。 数分後、霊夢だけが生きていることに気づいた。 「れれれれれいいぶーー!!!! いっだいどーしだのーー!!!」 自身の同様もさることながら、さらに動揺している霊夢の元へ、一直線に駆け寄っていく魔理沙。 「ま、まりざーーー!!!」 近寄って見ると、魔理沙は霊夢が見ていた景色を改めて見直した。 そこらじゅうに転がっているのはゆっくりの亡骸。 そして、そこらじゅうにできている水たまりは餡子である。 もちろん、その餡子はゆっくりの体の中に入っているものだ。 「どうしてこんなことになったの!! ゆっくりせつめいしてね!!」 「ゆゆ!! にんげんさんが!! にんげんさんがやったんだよ!!」 「ゆ!! にんげんさんはまだこりてなかったんだね!!」 再び魔理沙の中に怒りの炎が燃え上がった。 以前とは比べ物にならないほど大きな炎である。 「にんげんさん!! ゆっくりしていないで、はやくでてきてね!!」 「ま、まりさ……」 傷こそ負っていないが、逃げるのに体力を使いすぎたのだろう。 体を大きく震わせ、統一の取れない呼吸を繰り返す霊夢。 「ゆゆ!! れいむはゆっくりしててね!! まりさがゆっくりやっつけるからね!!」 そんな霊夢を元気付けようと、魔理沙はこれまでの事を簡潔に話し出した。 本来は、全てが終わった時に話そうと思っていた自慢の武勇伝。 そして、一緒に暮らしたいという事を。 「まりさ……。すごいね。まりさはすごいね!!」 得てして、魔理沙の思いは全て受け入れられた。 幾分、調子の取れてきた霊夢が、魔理沙の行動に対して、賞賛の言葉をかける。 本来は、こんな筈ではなかったが、逆にこの様な状況で霊夢が受け入れてくれた事で、魔理沙の気分は限りなく高く上っていった。 「まっててね!! いま、にんげんさんにあさまってもらうからね!!」 弾丸のようにその場から駆け出した魔理沙は、一目散に人里への道を駆け下りていった。 霊夢から聞いたところでは、人間はまだ近くにいると踏んだ魔理沙は、精一杯の速さでどんどん突き進んでゆく。 「ゆ!!」 そして、大きな曲がり道を抜けたところで、タバコをふかして休んでいる人間の集団を見つけることが出来た。 その様子から、人間たちは安心しきっていると感じた魔理沙。 その瞬間、体が自然と動いていた。 「にんげんさん! れいむたちにあやまってね!!」 怒り心頭。猛然とそこへ突っ込んでゆく魔理沙。 おそらくは、こいつらが霊夢に酷いことをした人間だろうと踏んだ上での行動である。 「リーダーサン。まぁだ、テークイットイージー、リビングシテマシタヨー!!」 しかし、魔理沙の思い描くような結果にはならなかった。 「ゆぐ!! いだいよ!! なにするの?」 所詮は饅頭である。 文字通り、あっと言う間にに捕まり縄で縛りあげられてしまう。 身動き一つ出来なくなった魔理沙であったが、この位でくじけなかった。 それでも尚、口調だけはしっかりと、人間たちに食ってかかる。 「なにするの!! って俺らは野良ゆっくりの駆除に来たんだが? ……なぁ、この魔理沙か?」 一人の男が、何かに気付いたように尋ねると、他の人間たちは口々に肯定の意を唱えだした。 「なんだ、おまえか。お前が人間の里を荒らすから、こういうことになったんだぞ」 戒めるでもなく、子供を諭すような口調で魔理沙に語りかける男。 「そんなのしらないよ!! まりさはゆっくりできるように、こーどーしてたんだよ!!」 しかし、そんな事は理解できずに、魔理沙は精一杯の厳しい口調で自分の行動を正当化しようとする。 「まぁ聞けよ。お前らが勝手に俺らの作ったものを捨てたり、壊したり。挙句の果てには飼われていたゆっくりの、 区別するために付けられていたバッジを無理やり毟り取ったりしていただろ?」 「あれはみんなのものだよ!! にんげんさんたちが、かってにじぶんのものにするからいけないんだよ!! ほかのゆっくりだって、むりやりとじこめたんでしょ!!」 聞く耳持たず。 その魔理沙をみて、やれやれと肩をすくめる人間たち。 このまま平行線を辿るのかと思い始めたとき、あの男が口を開いた。 「なら、聞いてみるか?」 「ゆゆ……?」 そう言って男が持ち出してきたのは、一匹のゆっくりであった。 「ゆゆ!! ありすだね!! にんげんさんにつかまったんだね!!」 「そんなわけないでしょ!! ゆっくりりかいできないの?」 魔理沙の発言を一刀両断したのはゆっくりは、カチューシャに金色のバッジを付けているゆっくりアリスであった。 「ゆ……? ゆ?」 「い~~い? のうそんぶにすんでいるまりさにもよくわかるように、としぶにすんでるありすがおしえてあげるわ!!」 そのまま、魔理沙の目の前まで近づいたアリスは、まるで子供に難しい話を教えるかのように話し始めた。 「はたけっていうところにあるおやさいは、みんなにんげんがつくったものなのよ」 「ゆ!! うそつかないでね!!」 「なら、なんでほかのばしょよりもきちんとしていて、おつちのいろがちがって、かってにぼうやひもががってあるの?」 「ゆぐ……」 「それに、ありすたちはにんげんといっしょにくらせて、しあわせなのよ」 「ゆ……ゆ……」 「でも、そのしあわせなありすのおともだちのなかにも、あなたのせいでゆっくりできなくなちゃったのがいるのよ」 「ゆぐぐ……」 アリスは淡々と、しかし分かりやすいように話を続けてゆく。 その中には、ここの周辺の野生のゆっくりは、今まで人里を襲わなくてゆっくりしていたこと。 一匹のゆっくりによってそれが壊されたこと。 余りの被害の為に、一斉に山狩りが行われたこと。 それは、あくまで周辺の山一つだけであって、奥のまでは行わなかったこと。 などなどであった。 そして、自信満々に語るアリスに、まったく反論が出来ないまま次々と説明されてゆく魔理沙。 直ぐにマルッと信じるのがゆっくりの良いところである。 そんな事が諺化している程、ゆっくりはころころ言われた事を信じる。 結果として、魔理沙が今まで築いてきた信念は、あえなく音を立てて崩れる事となる。 「でいぶ!! ごめんね!! もっどゆっぐりじでほしかったのにーー!!」 同時に出てきた言葉は、好きであった霊夢への懺悔であった。 霊夢の為に、と思って行動していたことが、全て意味のない、むしろ逆効果だった。 その事が、魔理沙の心に、強い後悔を埋め込んで行った。 同時に、大きすぎるそれによって、魔理沙の心は砕けてしまう。 「……ゆ。わるいのはまりさだよ……。 だから、まりさをゆっくりころしてね。ほかのゆっくりはみのがしてあげてね」 魔理沙の口から出てきたのは、お願いの言葉であった。 今まで、目の敵にしてきた人間に対するお願いであった。 それは、自分のしてきた事を理解した魔理沙が出来る、せめてもの罪滅ぼしと考えたからであろう。 「ん~~。……」 男の一存では決められない。 一旦人間たちが集まり、相談をする。 白熱する事もなく、モノの数分で話し合いを終えた男は、先ほどと変わらぬ表情で魔理沙に結果を報告する。 「別にいいよ。元々は君が目的だったし」 「ゆ……。ありがとうね……」 「でも、もうこの辺りにゆっくりは殆どいないぞ。少し前から、何度か山狩りはやってたし。まぁ、それは、仲間意識が強いから、 感化された可能性も含めてだったんだけどな」 「ゆ……。そうだったの…………」 魔理沙はそれっきり黙りこんでしまった。 それは、魔理沙なりの意思表示の証か、はたまた精神の限界が来てしまったのか。 理由は分からないまま、男はただの饅頭と化した魔理沙を抱え、他の人間と連れ立って山を降りていった。 ~~~~~~ それから一ヶ月がたった。 それでも尚、あの魔理沙は食事を取らされ生きていた。 否、無理やり生きさせられていたというほうが正しいのかもしれない。 街の一角に立てられた見世物小屋。 ここが魔理沙が連れてこられた場所である。 「……とまぁ。このゆっくりが原因で沢山のゆっくりが犠牲になったんだよ」 「ゆっくりしていたぱちゅりーーをかえしてね!! せっかく、せっかくまりさがごーるどばっじをとったのに……。 おまえなんかゆっくりしね!!!!!」 「わかってねー!! あのまりさみたいになっちゃだめだよー!!」 「ゆっくりりかいちたよ!!」 「さっすが、ぎんいろぷらちなばっじのれいむとちぇんのこどもだね!! ゆっくりしてあたまがいいね!!」 「……!!! ……………………!!!!!」 そこには、毎日のようにゆっくりや、飼いゆっくりを連れた人間たちがやってくる。 教育。 怒り。 そして侮辱の対象として。 しかし、その殆どが飼いゆっくりの為、飼い主の言いつけを守り攻撃のアクションを起すゆっくりはいなかった。 理由は様々である。 しかし、舌も歯も抜かれ、足も焼かれてしまった魔理沙には、ただ聞く事しか出来ない。 反論か、それとも謝罪か。 残念ながらそれを確かめるすべはない。 「まりさ!! れいむがきてあげたよ!! ゆっくりしていってね!!」 そして夜。 魔理沙の元へ駆けつけてくる一匹のゆっくり。 「……!! …………!!」 「ゆっくりりかいしたよ!! たべものをもってきたよ!!」 そう言うと、一旦自分の口に含み、柔らかくしてから口移しで魔理沙に食べさせる。 「……!!」 「おいしいんだね!! ゆっくりたべていっていいからね!!」 この霊夢は、何を隠そう魔理沙と将来を誓い合ったあの霊夢である。 あの後、他のゆっくりが沢山いると山の奥のほうに移り住んでいた霊夢は、魔理沙がまだ生きている事を知って、毎晩こうして尋ねてくるのだ。 「ゆゆ♪ まりさ♪ れいむのあたまをよっくみてね!!」 「……? ……!!」 嬉しそうに話す霊夢の頭には、妊娠の証である蔓が生えていた。 魔理沙は相手を知っている。 毎晩ずっとすっきりしていたからである。 そして、今までは妊娠する事がなかった事も。 「ゆへへ♪ まりさ!! もうすこしのしんぼうだよ!! このこどもたちがおおきくなったら、にんげんにそうこうげきをかけるよ!!」 「……!! ……!!」 「ゆっくり~~ばんじおけ~~だよ♪ まりさだけでも、にんげんにだいだげきをあたえたんだから、これだけいればらくしょうだよ♪」 「ゆっくり~~♪ していってね~~~♪」 あの時。 魔理沙の一句一句に目を輝かせていたときと同じ顔をして話す霊夢。 しかし、口が利けない魔理沙にはどうする事も出来ない。 “今直ぐにでも死んでしまいたい” そう思った所でどうする事もできない。 もしかしたら、数ヵ月後、ここを譲る形で自分は死ぬのだろうか? ふっと、そんな考えが魔理沙の頭を過ぎった。 出来れば、その前に死んでしまいたいとも思った。 「ゆゆゆ~~~♪ れいむは~~ゆっくり~~♪ ……」 そんな魔理沙の思いを知ってか知らずか、霊夢は暢気に歌を歌い続けている。 その暢気な歌を聞くと、魔理沙は瞼の裏に、山の中でのんびりと暮らしていた情景が淡々と映し出されていくのだった。 このSSに感想を付ける
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「ゆっくりれいむ」 俺はめったに見かけない、胴付きのゆっくりれいむを飼っている。 理由は、炊事洗濯掃除等をやらせるためだ。一人暮らしなのでやる人間が自分しかいないのだ。 しかし、家のれいむは物臭なゆっくりらしく、洗濯も掃除も余りしようとしない。 毎日やるように言っても、 やらないので何度か、山の奥に捨てに行こうかと思ったが、 今も一緒に暮らしている。 「さーて、今日は風呂に入るぞ」 俺の言葉ににれいむは、びくっと反応した。 「な・な・ななにいってるのおにいさん、れれ・れれれいむはまだきれいだよ」 いくら風呂が嫌いだからって、 どもりすぎだろう。 「知るか、とにかく一緒に入るぞ」 「いやぁぁぁあ!!、おゆさんはゆっくりできないぃぃぃ!!!」 俺は、嫌がるれいむを引きずりながら風呂場に向かった。 一般人にたまに間違えて覚えている人間がいるが、 ゆっくりの全てが、水に溶けるわけではない。 ゆっくりにとりや、ゆっくりすわこ等は、溶けないどころか、 水中で生活できるし、その方が、生存率が高かったりする。 そして、胴付きゆっくりは、水に溶けにくかったりする。 胴付きゆっくりは、 体の表面に数mm程度の特殊な皮が形成されている。 この特殊な皮が耐水性をもっているらしい、 ちなみに、饅頭が人型でも崩れたりしないのもこの皮の為だとか。 だからと言って、毎日胴付きゆっくりを風呂に入れるのはまずい。 水に溶けないので、問題がないように思えるが、 実は、ゆっくりは体が腐らないように、 防虫防腐効果のある、物質を体の表面に分泌しているのである。 風呂に入ると、この物質も汚れと一緒に流してしまうのだ。 ゆっくりんぴーすとかいうゆっくり愛護団体の研究報告によると、 夏場に毎日、胴付きゆっくりを風呂に入れると、 一月で半身が腐ったゆっくりになるんだとか。 そんなわけで、れいむは風呂が嫌いで、 そんなわけで、俺は、れいむを風呂に入れるのは4日に一度にしている。 「あ~~~~、いいゆだよ~~~、ゆっくりできるよ~~~」 とは言え所詮ゆっくり、 風呂に入ってしまえば風呂嫌いを忘れたように風呂でゆっくりする。 「体は洗ってやったんだから、溶ける前に出ろよ」 俺が、れいむと一緒に風呂に入るのは、 そういう趣味があるからではなく、 れいむがゆっくりしすぎて、溶けるのを防ぐためである。 他意はない。 体を洗い終わった俺も、湯船に入った。 「ゆゆんゆ、ゆんゆんゆん、ゆ!ゆゆ~ん」 れいむはご機嫌そうに歌っている。 「ゆゆんゆ・・・ねえおにいさん、これなんなの?」 れいむは、俺のすね毛を掴みながら聞いてきた。 「これは、すね毛って言って、足を守るためにあるんだぞ」 「ゆ!すねげさんがあるとおにいさんはゆっくりできるんだね!!」 少し違う気もしたが、めんどくさいので、 「そうだぞ~、ゆっくりできるぞ~」 と、答えた。 ゆっくりを飼ってよかったことは、早起きになったことか、 朝5:00には、「ゆっくりおなかがへったよぉ」と、起こしにくるのだ。 どこのお年寄りだ。 今日も、朝早くに起こしに来た。 「おにいさんあさだよ。ゆっくりごはんつくってね」 自分で作れよこんちきしょうとは思うが、 もう一年近く同じよう名やり取りをしているので、諦めている。 「あ~まだ眠い」 働きに出るまで、約3時間ある、その分もう少し寝ていたいが、 飯を作るまで、れいむは起こし続けるし、 飯を作ったら、眠気は覚めていたりする。 なので諦めてさっさと起きる。 「ゆっくりおはようおにいさん」 「ん~おはろ~」 起きるとれいむがいつも通りすぐそばにいた。 いつものように、料理作るわけでもないのに、 エプロンをしている。 エプロンを着る時は、なぜか、いつもの巫女装束を着ない。 「はだかエプロンは、おにいさんがゆっくりできるよ!!」 とか、この間理由を聞いてもないのに言っていた。 俺をゆっくりさせるつもりがあるなら、ぜひもっと家事をしてもらいたい。 「さきに、いってまってるからゆっくりしないでごはんつくってね!」 「・・・あ~い」 冷蔵庫の中には、 パンとか調理しないでも食べれるものはいくらでもあるのに、 何でこいつは、わざわざ俺に朝飯を作らせるのだろうか? 台所のテーブルに行くれいむの後姿を見ながら思う。 それにしても、せっかくの裸エプロンも、 こいつでは、魅力は6割減といったところだろう。 あまり、肉付きが良くない体型だし、 ゆっくりだし、なんか表面がテカテカしてるし、 脚にすね毛がびっしり生えてるし、 すね毛? 「ほわぁぁぁぁ!!!!?!」 「ゆひぃ!?どうしたのおにいさん、わるいゆめでもみたの」 「今!現に!悪夢見てるよ!て言うか! お前がどうしたんだよ!こっちの台詞だよ! 何だよそのもっさりした脚!」 「?・・・!すねげさんのことだね! すねげさんがあるとゆっくりできるから、 きのうのよるにすねげのかみさまにおねがいしたんだよ!」 すね毛の神様がんばりすぎだろ、 俺だって誰かに頼られたりしたら、 張り切ってがんばったりもする事もあるさ。 「ゆゆ~んすねげさんとってもゆっくりしてるよ~」 きっとすね毛の神様も、 頼られて張り切っちゃったんだろうな、 何せ、すね毛だ。 『すね毛を生やしてください』 なんて極レアなオーダー、 きっと神生(?)初だろうよ。 今後あるとも思えない。 ダカラ、 レイムニ スネゲハエテモ シカタナイヨネ? 「なんて言うと思ったかこのやろぉぉぉ!!!!」 ブチブチブチブチィ 「ゆぎゃぁぁ!!」 俺は、れいむのすね毛を掴んでそのまま引きちぎった。 「なにするのぉぉぉ!! すねげさんがないと、おにいさんが「ゆっくりできねぇよ!!なんで俺が胴付れいむに、 すね毛が生えてないとゆっくりできない人間になってんだよ!! どんなHENTAIお兄さんだよ!! 上級者通り越して超級者の位置だよ!」 「おらぁ!ゆっくりできないすね毛はゆっくりしないで消えろぉ!」 ブチブチブチブチィ 「ゆぎゃああああ!ゆっくりできないぃいい!」 「ガムテープだぁぁ!まとめて抜けろぉ!」 ブチブチブチブチィブチィ 「れいむのすねげさんがぁぁぁ!!」 「オラオラオラオラ」 ブチブチブチブチブチブチ 「ゆぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ」 「オラ!」 「ユ!」 「」 「すねげさんがないとゆっくりできないよぉぉぉ」 部屋の隅で、泣き喚くれいむ、 部屋中に飛び散るすね毛、 飛び散って張り付いたすね毛まみれのガムテープ 地獄絵図だ。 と、こんなことしている間に、 もうそろそろ家を出ないと会社に間に合わない時間だ。 「れいむ!俺は会社に行ってくるからな!部屋の掃除くらい頼んだぞ」 朝飯は我慢しよう。食ってたら間に合わない。 あ~、疲れた。 朝飯食ってなかったし、 朝っぱらから暴れたので、いつもよりも疲れた。 「ただいま~」 朝、掃除しろと言ったのを、珍しく実行してくれたらしく。 家の中は片付いていた。 「ゆっ、おにいさん、かえってきたんだね」 居間には、巫女服に着替えたれいむがいた。 もうすね毛は生えていない。 すね毛は・・・ 「おにいさんのおかげでぜんぜんゆっくりできなかったよ。 でも、もう気にしてないよ、もっとゆっくりできる、 ふわふわさんがれいむに生えたんだからね!」 「・・・うん、その『ふわふわ』が何なのか一目みてわかったよ。 ありえねぇよ!何だよそれ! その腋毛?気持ち悪いよ! 生えてきたってレベルじゃねぇよ!もっさりしすぎだよ! 自分の頭ぐらいの大きさの腋毛玉なんて始めて見たよ! もっさりしすぎて、さっきから、 『人類は十進法(以下略)』のポーズしか取れてねえじゃねぇか! 俺が会社行ってる間何してたんだよ!腋毛の神様にお願いでもしたのか!」 「なにいってるのおにいさん?わきげさんはかってにはえて 「こないよ!腋毛は勝手に生えてこないよ、そんなには! こっち来い、そんな腋毛修正してやる!」 「やめておにいさん! そんなことしたらおにいさんがゆっくりできなくなるよ!」 どうやら、こいつは 毛が生える=俺がゆっくりできる という式を、確立したらしい。 証明もしてないのに。 だめだこいつ 早く何とかしないと・・・ ~あ~と~が~き~ 初期のゆっくりっぽいものを 書こうとしてたんだ。 書こうとしただけで終わったけど。 このSSに感想をつける
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制裁ものじゃないと罪悪感を感じる方は注意 ある日の昼下がり、ゆっくりれいむは博麗神社の縁側でお昼寝をしていた。このゆっくりれいむは以前神社の中のおせんべいを 勝手に食べてしまって、巫女である博麗霊夢に叱られ、追い出されそうになったゆっくりであった。 その際にゆっくりれいむが行く当てもなかったところを見かねた霊夢によって飼われることとなった。 今では神社の中でゆっくりする居候またはペットとなっている。 「れいむ~。おやつよ~」 「すぐにゆっくりいくね!!おやつ♪おやつ♪」 今ではおやつを一緒に食べる。 「れいむ、こっちにいらっしゃい。一緒に食べよう。」 霊夢がれいむを膝の上に招く。 「ゆっくりできるね♪れいむのおひざやわらかくてきもちいい♪」 縁側で霊夢はれいむを膝の上に乗せて、おやつを食べることにした。日向でお昼寝をしていたれいむはほかほかと日の光を吸収して暖かい。 このゆたんぽのような暖かさが心地よい。ちなみに夏には冷やして冷やし饅頭になるので、これがまた気持ち良い。 「ほら、こぼしそうになっているわよ。しょうがないわね。」 そういう霊夢は普段他者と接する時と違って柔らかい物言いだった。 「ゆぅ?れいむ、ありがとね!!ゆっくりたべさせてね!!」 れいむは食べるときにこぼしてしまうので、霊夢が手をそえてゆっくり食べさせてあげるのだ。 最初は掃除の手間を省くためにこうしたのだが、今ではこの位置が一番しっくり来た。 霊夢にとってはれいむの暖かさと柔らかさを感じることができ、安らかな気持ちになれる。 そう、ゆっくりできるのだ。霊夢は元々面倒くさがりなところがあり、暇さえあればお茶を飲んでいた。 暇な時間を一人で満喫することは確かに味わい深い。しかし、れいむが来てからは、 だれかと一緒にゆっくりすることをより楽しめるようになっていた。 今では毎日のお茶の時間が本当に楽しみである。 「れいむ、れいむ、おやつありがとね!!おれいするね♪」 そう言うとれいむは縁側で霊夢を招いた。そうすると霊夢が寝転がる。れいむは霊夢の枕になった。 「あ~、ふわっとしてあったかい。れいむ、気持ちいいわよ。ありがとね。」 そういうとれいむは満足げな表情をした。それはどこかふてぶてしくて偉そうだ。 けれども霊夢はそんなれいむをみてほほえましく思った。すこし背伸びがしたい、 かまってほしいと思っている妹がいるとこんな感じなのかと思った。 そうすると、友人の霧雨 魔理沙が尋ねてきた。何でも異変の兆候があるらしい。霊夢は身支度を整えると、 「これから出かけてくるからね。おみやげもってくるからいい子にしてまっているのよ。」 「うん!ゆっくりいってらっしゃい!!」 れいむは満面の笑みで霊夢を見送った。本当はもっと霊夢と一緒にゆっくりしたかったが、 異変解決が巫女の仕事なのだから仕方がない。れいむは仕事で疲れた霊夢が帰ってきたときに たくさんゆっくりしてもらうためお手伝いをしようと思った。口を使ってちりとりをくわえ、器用に掃除をしている。 霊夢が帰ってきたときにほめてもらいたい。なでてもらいたい。れいむは霊夢の事が大好きだった。 そのとき、 神社の上空より鳥がれいむ目掛けて急降下した。れいむは鈍重な動きと警戒心の少なさから、以前より目をつけられていた。 そして巫女がいないところを狙われたというわけである。 あっというまにれいむは鳥に捕まえられ、空高くに連れ去られることとなった。 「ゆぅ?おそらをとんでる!!たかい♪たかい♪」 れいむはまだ現在の状況を把握していないようだった。 霊夢の愛情に守られていたれいむには、これからどのような地獄が待っているのかまったく理解ができていなかった。 だんだん神社が遠ざかってくる。さすがにおかしいと感じたのか、れいむは 「ゆっくりれいむのおうちにかえしてね!!れいむのおてつだいおわっていないの!!」 と催促するが、鳥に言葉がわかるわけはない。 しばらく飛んで、れいむは鳥の巣に落とされた。鳥はそのまま次の獲物を求めて飛び去っていく。 れいむの目の前には鳥の雛達がいた。目の前にはぴぃ、ぴぃと雛たちが自分目掛けて擦り寄ってくる。 よちよちとゆっくりしたペースだ。 「ゆっくりしてる~♪」 野生から遠ざかったれいむは自分に向かってくる雛達を何の警戒心もなく近づけてしまった。 雛たちを可愛いと思ってしまっていた。あるものを忘れていたためにこのような愚行を犯してしまった。 野生の法則 弱肉強食 「いたい!いたいよ!とりさんやめて!!」 雛達はれいむのことを食料としてしかみていなかった。抵抗手段を持たないれいむは雛達についばまれていく。 小さなくちばしによるついばみは、ひとつひとつはたいしたことはなかった。しかし大量の雛、 それもとても飢えているので、久しぶりのご馳走にありつこうとみな必死にれいむをついばんでくる。 「ゆっ! ゆ゛う゛う゛うううううっ!!!やだよ!れいむはおいしくないよ!!」 生態系の最下層、動く食料のゆっくりにはあるまじき発言である。くすぐったさといたみとかゆみが同時に襲ってくる。 「れいむたすけてよ!れいむー!!!」 しかし霊夢は助けに来ない。異変解決に向かっているので当然である。 ひなのくちばしがついに中の餡子に届いてしまった。あふれ出す餡子。そしてそこに群がる雛達。 地獄の蹂躙劇がついにクライマックスへと突入しようとしていた。 しかし親鳥がいなかったことが幸いした。れいむは巣から転がり落ちることによって、うまく雛達から逃れることができた。 れいむはまた逃げていた。神社へとたどり着くことを願っていた。 しかし神社がどこにあるのかはわからなかった。 それでもまったく動かなければ餡子におびき寄せられた虫達の餌食となってしまうのである。 先ほどついばまれたところがかゆいと思ったら、蟻がたかっていた。れいむはあまりの気持ち悪さにどうにかしてしまいそうであった。 転がって蟻をふりはらうとすぐに逃げる。しかし蟻達はしつこく追ってくる。 「れいむじにたくないっ、れいむじにたくないよっ!!!ゆっぐりじたいよぉ!!」 れいむはゆっくりできなかった。蟻達は大群をかたどって襲い掛かってくる。一匹でも再び侵入を許せばそれまでだった。 はやく、はやく跳ね、少しでも遠くへと逃げようとした。それがれいむの餡子をこぼし、より多くの蟻をおびき寄せることとなっていた。 「ゔわ゙ああああああん!な゙んでえええええ!!な゙んでづいてぐるのぉぉぉ!!」 れいむは逃げる。 餡子がこぼれる。 逃げる。 こぼれる。 こぼれる。 こぼれる。 ついてくる。 しかしなんという幸運か、目の前には浅い水溜りが道を横切っていた。 れいむは全身全霊の力を使って飛び跳ねた。蟻達は追ってこない。上手く逃げ切ることに成功したのである。 「ここどこ・・・。おうちかえる・・・。れいむにあいたい・・・」 もはやどこが神社か完全にわからなくなっていた。しかし幸運にも目の前には民家、そして畑があった。れいむは民家を尋ねた。 しかし誰もいなかった。何か食べたい。ご飯をもらいたい。れいむはたいりょうのあんこを失っていたため、早く栄養を取る必要があった。 それなのに長い間飼われていたれいむはえさのとり方を忘れてしまっていた。 ふと目の前の畑に目が行った。たくさんの野菜がある。れいむはこれを食べれば傷がふさがるかと思った。 しかしそのとき霊夢の顔が頭に浮かび、以前しつけられたことが思い出される。 「今度からは勝手に人のものをとっちゃだめよ。悪いことなんだから。いい子にしていたら私がごはんをあげるからね。」 霊夢に嫌われたくない。今まで霊夢と過ごしてきた思い出が蘇る。 かまってほしさにいたずらをして怒られたことがあった。 逆に霊夢にいたずらをされたこともあった。頭からダンボールをかぶせられた。すねていたら、 霊夢が謝ってきてその後一日中遊んでもらったことがあった。 一緒に外に遊びに行ったこともあった。霊夢の友達にほっぺたをつねられたことを覚えている。 喧嘩をしたこともあった。あのときは何が原因だったのか覚えていない。れいむは都合の悪いことはすぐに忘れる。 しかし寂しくなって霊夢の布団にもぐりこんでしまったことは覚えている。喧嘩した後なのに霊夢は抱きしめて寝てくれた。 れいむは泣きながら謝った。 ひとりでゆっくりしていても楽しくはない。霊夢といっしょにいたい・・・。 「ゆ"っ・・ゆ"っ・ゅっ・・・・・ゆ"・・・・・ゅっ・・・・・・・・・ゅ゛・・」 体の中の餡子の3分の1がなくなってしまったためか、意識が朦朧としてきた。 目の前の野菜を食べないと決めたことで一気に今までのダメージが押し寄せてきたらしい。 もう動くことさえできない。 蟻達が追いついてきた。別の道を通ったのだろう。れいむの体内へと侵入し餡子をむさぼってくる。 もはや助からないことはれいむにもわかっていた。霊夢には二度度会えないと。 最後にいってらっしゃいと言ったことを後悔した。もっとわがままをいえばよかった。 少しでも霊夢と一緒にいたかった。こういうべきだったのだ・・・ ゆっくりしていってね、と 「今戻ってきたわよれいむ~。どこに行ったの~。おみやげ持ってきたわよ。いっしょにたべよ~。」
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「ここはどこかしら……」 気づくと私は妙な空間にいた。様々な淡色が紅茶に入れたミルクのように漂う空間。いるだけで頭が柔らかくなりそうだ。 「アリス」 「誰……? ま、魔理沙?」 私が気づくや否や、魔理沙の華奢な手が私の身体を包み込む。 「ど、どうしたの魔理沙……」 「アリス……愛してるぜ」 「ま、魔理沙、今な、な、なんて?」 緊張のあまりどもってしまう。 「愛してる……ぜ……」 「ま、魔理沙……やっと……」 体中が歓喜と興奮で燃え上がる。目頭も熱くなってきた。 「ここでずっと一緒にいよう」 「そんなこと言って、またどこかにふらっと行ってしまうんでしょ?」 「行かない。ここでゆっくりしよう」 「本当に?」 「ああ。ゆっくりしていこう」 「私……」 堪え切れずに、私は魔理沙を強く抱きしめた。魔理沙の柔肌の体温を感じる。ああ魔理沙、こんなに柔らかかったのね。もちもちして、食べ物みたい…… 「ゆっゆっ」 ……? 心なしか押し返されているような…… 「ゆっくゆっく」 ま、魔理沙……? 大きくなってる……? 「ゆっくりしていってね!!!」 「魔理沙! やめて! 潰れる! 潰れグホッ!!」 ―― 「……っくり、ゆっくり」 「ゆっくりしていってね!!! ゆっくりしていってね!!!」 「お、重い魔理沙……やめて……息出来な……ぶはっ!」 「ゆっ!」 私が激しく起き上った瞬間、丸っこい物質が放物線を描いて宙を舞うのが見えた。 「……」 状況整理: ①私はベッドの上にいる ②私は寝具を着ている ③私の眼前約5メートルの地点にゆっくりまりさが飛んで行った 「おねえさんおはよう! まりさが起こしてあげたよ! 今日もゆっくりしようね!!!」 結論:折檻 「おねえさんどうしておこってるの! まりさ起こしてあげたのに! おなかすいたよ! 出してよ!」 「魔理沙……柔肌……饅頭……まりさ……」 私の朝の食卓はいつのように騒がしい。 ゆっくりはいい。とてもいい。 -- 名無しさん (2010-11-27 13 42 15) 名前 コメント
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~ゆっくり魔理沙の生涯『加工編』~ -前書き- このSSは私の初作品である「ゆっくり霊夢の生涯」で最後に部屋に残されたゆっくり魔理沙についてのお話です。 上述の作品を読んでからこの作品を読んでいただくと、より内容を理解しやすいかと思います。 ※スレに書き込みしようとしたら規制されてた・・・。今までのようにwikiへ編集してもらってかまいません。 -本編- 「さみしいよぉぉぉ・・・グスン。」 ゆっくり魔理沙の目には涙が浮かんでいた。 毎日一匹ずつ優しいおじさんに連れられて友達が部屋から旅立っていった。 そして一番仲の良かったゆっくり霊夢も先ほど部屋から消え、残ったのはゆっくり魔理沙1匹となった。 「れいむうぅぅぅ、まっててね!あしたになったらいっしょにゆっくりできるから!」 明日になればおじさんがみんなのところへ連れて行ってくれる。ゆっくり魔理沙はいろいろと想像していた。外の 世界に慣れる訓練とはどんなものなのか、外の世界に行ったらみんなとゆっくり遊んで、ゆっくり食べ物を探し、 ゆっくり一緒に眠る。ゆっくり魔理沙はまだ見ぬ世界に心を躍(おど)らせながら眠りについた。 翌日、ゆっくり魔理沙はゆっくりと目を覚ました。 「ゆっくりしていってね!」 部屋のこだまするのはゆっくり魔理沙の声だけであった。 「さみしいよぉぉぉ・・・れいむぅぅぅ。」 ゆっくり魔理沙が昨日の様に目に涙を浮かべていると部屋のドアが開きおじさんが入ってきた。 「さぁ外に出ようか、待たせてすまなかったね。」 おじさんの言葉を聞くとゆっくり魔理沙は満面の笑顔に戻った。 「おじさん!はやくみんなのところへつれていってね!」 「よし、それじゃ行こうか。抱えるから暴れないでおくれよ。」 「おじさん、わかったよ!」 ゆっくり魔理沙はおじさんに抱えられて生まれた部屋を後にした。 「そうそう、みんなの所へ行く前に健康診断をしないとだめなんだよ。」 「けんこうしんだん?」 「体の調子が悪くないかとか病気にかかってないか調べることだよ。」 「ゆ!まりさはどこもわるくないよ!だかられいむのところへはやくつれていってね!」 すぐにゆっくり霊夢に会えるものと思っていたゆっくり魔理沙はおじさんに抗議した。 「おちついておちついて、これはみんなもやったことなんだよ?君の友達のゆっくり霊夢もね。」 「ゆ!まりさもけんこうしんだんうけるよ!」 ゆっくり霊夢もやったと聞き、早く会いたいという衝動を抑えおじさんの言う通りにすることにした。 「この中で健康診断を行うよ。」 おじさんは扉を開けると中には緑色の帽子をかぶった青い髪の少女が立っていた。 「ゆ?おねえさんだぁれ?ゆっくりできるひと?」 ゆっくり魔理沙はゆっくり特有のお決まりのセリフを発した。 「えぇゆっくりできる人よ。」 青い髪の少女はゆっくり魔理沙の質問に軽く返事をした。 「にとりさんお待たせいたしました。このゆっくりでよろしいでしょうか?」 「とりあえず大きさを測ってみるわ。」 にとりと呼ばれた少女はポーチから巻尺を取り出すとゆっくり魔理沙の大きさを測り始めた。 「ゆ?なにしてるの?」 体にテープ状の物差しが巻きつけられると頭の上に?マークを浮かべて質問した。 にとりは質問に答えず代わりにおじさんが答えた。 「これが健康診断だよ、今は君が十分な大きさか測定しているんだ。」 「ゆ!そうなの?さっさとおわらせてね!」 何をしているか理解はできなかったが健康診断だと聞き、ゆっくり魔理沙は納得した。 「十分な大きさですね、これなら新しく開発した道具を試せるでしょう。」 にとりは巻尺をポーチに戻すとなにやら壁に立て掛けてある少々大きい両手持ちの機械をいじりはじめた。 そしておじさんは顔が上を向くようにゆっくり魔理沙を台の上に乗せ固定した。 「ゆ?うごけないよ!さっさとたすけてね!」 「まぁまぁ落ち着いて。今から歯が健康かどうか調べるよ、虫歯があったりするとお菓子がゆっくりと食べられなくな ってしまうんだ。」 「ゆ!おかしがたべられないのはやだよ!さっさとしらべてね!」 ゆっくりとお菓子が食べられなくなると聞くとゆっくり魔理沙は態度をコロっと変えた。 「それじゃ歯を検査するから大きく口を開けてね。」 「あ~~~ん゛!!!」 ゆっくり魔理沙が口を大きく開けるとおじさんはすかさず2本の金属性の棒を口の中へ入れて口が閉じないように固 定した。 「おへさあえたえよ!はやけはざぜでえぇぇぇ!(おじさんいたいよ!はやくはずしてえぇぇぇ!)」 何を言っているのかわからないゆっくり魔理沙の悲鳴はおじさんには届かなかった。 「では隣の部屋に例のものがありますので取ってきます。」 機械をいじるのに夢中なにとりは軽くうなずいて返事をし、おじさんは隣の部屋に消えていった。 数分するとおじさんは熱気を発している液体の入った大きめの鍋を持って戻ってきた。 「おへさあはせへてぇぇぇ!(おじさんたすけてぇぇぇ!)」 おじさんの姿を見るとゆっくり魔理沙は涙を流しながら助けを求めた。 しかしおじさんはゆっくり魔理沙を無視してにとりと話を始めた。 「準備はよろしいでしょうか?こちらはいつでも作業に取り掛かれる状態です。」 「こちらも大丈夫ですよ職員さん。始めてください。」 そしてゆっくり魔理沙の悪夢は始まった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 にとりに職員と呼ばれた男は鍋に入った液体を一気にゆっくり魔理沙の口の中に注ぎ入れた。 「がぁがぁがぁがぁがぁがぁがぁがぁがぁがぁ!!!」 すかさずにとりは機械のスイッチを入れてゆっくり魔理沙の口の中に突っ込んだ。 機械の先端には攪拌翼がついており、スイッチを入れると自動で回転する仕組みになっている。 当然ゆっくり魔理沙の中身の餡子は職員が注いだ液体とものすごい勢いで混じりあっていた。 「あ゛っ!あ゛っ!あ゛っ!あ゛っ!あ゛っ!」 3分程攪拌するとゆっくり魔理沙は白目をむいて唸(うな)りだした。 「にとりさんそろそろのようです。」 職員の言葉を聞くと機械を止めてゆっくり魔理沙の口から抜いた。 ゆっくり魔理沙にとってこの3分は今までで一番長く感じた3分となっただろう。 にとりは満足げにしていた。 「ふぅ、まぜるん棒はうまく動作したようね。」 「すばらしい性能ですね。今までは手作業で混ぜていたため時間がかかる上にむらが出来ていたんですよ。」 職員はまぜるん棒の性能を目の当たりにして目を輝かせていた。 「まぜるん棒の商談については加工品の完成具合を見てから決めましょう。このまま室温で冷やすのですか?」 「いえ、加工場地下にある氷室で1時間ほど冷やすつもりです。今から置いてきますのでお待ち下さい。」 職員はまだ白目をむいているゆっくり魔理沙を透明な箱へ入れ、地下にある氷室の棚へ置きにいった。 ~55分後~ 「あ゛っ!あ゛っ!あ゛っ!あ゛っ!あ゛っ!」 唸り声を上げるのはゆっくり魔理沙だった。 先ほどと違うのは今回は寒さによりまともな言葉が話せなくなり唸っていると言うことだ。 「ざっ!むっ!い゛っ!だっ!ずっ!げっ!・・・」 今にもゆっくり魔理沙は凍え死にそうだった。 ゆっくり魔理沙の体は既に肌色から真っ白に変わり、涙は凍っていた。 「さて、そろそろかな。」 遠くで優しかったおじさんの声が聞こえ足音が近づいてくる。 「お、頃合だな。」 「ゆ・・・。」 もう話す気力もないゆっくり魔理沙を箱ごと持つとおじさんは氷室を後にした。 ゆっくり魔理沙は箱から出され先ほどの部屋の台の上に置かれていた。 室温に置かれたので徐々にゆっくり魔理沙は元気を取り戻し、顔色は元の肌色に戻っていった。 「ゆ!まりさにあんなひどいことをするひとたちとはゆっくりできないよ!さっさとれいむたちのところへつれていっ てね!」 さすがのゆっくりブレインでもこれだけひどい目に合えば目の前にいる二人が自分の敵だと言うことは判断できたよ うだ。最もその敵に自分を仲間のところへ連れて行ってと頼んでいるあたりさすがゆっくりブレインだと言わざるを 得ない。 「残念だけどもう君の友達とは会えないんだ、今頃は餡子になって出荷されているよ。」 「な!なにいってるの!そんなうそはやめてね!さっさとみん・・・ゆ?」 ゆっくり魔理沙飛び跳ねて抗議しようとしたが体が動かなかった。もちろん体は固定されていない。 「ゆ?どうじで?どうじで!?がらだがしゅっごくへんだよおぉぉぉぉぉ!」 泣きながら必死に体を動かそうとするがピクリとも動かない。 「どうやらうまくいっみたいですね。」 「ええ、では完成具合を確かめましょう。」 おじさんは徐(おもむろ)に包丁を取り出した。 「ゆ!や、やめてね!ちかくにこないでえぇぇぇぇぇ!たすけてれいむうぅぅぅぅぅ!」 ゆっくり魔理沙は包丁を見るのは初めてであったが本能が危険だと判断したのか必死におじさんを遠ざけようとした。 「それじゃ、お別れだ。バイバイ♪」 「い゛や゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 ゆっくり魔理沙の絶叫は部屋中にこだました。 「おぉ!すばらしい出来だ!」 職員の目に前には真っ二つになったゆっくり魔理沙が転がっており、中の餡子は羊羹になっていた。 先ほど職員が魔理沙の口に中に注いだのは溶かした寒天で、にとりはそれを攪拌する機械を作り加工場へ販売しに来 ていたのだ。 「では試食といきましょうか。にとりさんも召し上がりになりますか?」 「まぜるん棒の性能を確かめるためにも試食させてください。」 職員とにとりはそれぞれ半分になったゆっくり魔理沙の羊羹をスプーンですくって口に入れた。 二人の口の中には冷たくてまろやかな羊羹の甘みが広がっていった。 無言ではあったが二人はとてもうれしそうにゆっくり魔理沙の羊羹をたいらげた。 「さてと、いかがですか?このまぜるん棒の性能は、自信を持ってオススメしますよ!」 「ここまで均一に混ざり合うとは思っていませんでした。いやぁすばらしい!喜んで買わせていただきます。」 二人はとても満足そうに笑っていた。 こうして加工場で生まれたゆっくり魔理沙は外の世界を知ることもなく羊羹となりその生涯を閉じたのであった。 この夏、加工場からゆっくり羊羹が発売された。中身が羊羹になったゆっくりは体を動かすことができないため逃げ られる心配はない。また、ゆっくりが生きている間は中の羊羹の品質は変わらないので、食べ物が腐ったりカビたり しやすいこの時期にはうってつけであった。 キャッチフレーズは「ゆっくり冷やしてゆっくり食べようゆっくり羊羹」だ。 End 作成者:ロウ 後書き 最後まで読んでくださった方々にまずはお礼を申し上げます。 『ゆっくり魔理沙の生涯「加工編」』はいかがだったでしょうか? 冒頭でも述べましたが、今作は私の初作品である「ゆっくり霊夢の生涯」に登場したゆっくり魔理沙の末路について 書かせていただきました。書き始めた当初、にとりは登場しない予定だったのですが、東方キャラが0人になってし まうことに気が付き、急遽登場していただくことになりました。 まぜるん棒というネーミングに関してですが、時々やっているゲームにマゼルンというモンスターがいるので、適当 にその名前からつけました。他にもまぜる君とかマゼルスター(これは実際にそういう商品があるので却下)とか考 えたのですが良い案が浮かばなかったのでまぜるん棒に決定しました。ネーミングセンスが無いのはわかっているの であまり深く突っ込まないで下さい。 現在ゆっくりえーきの生涯というSSを書いているのですが、なかなかうまく書けずに苦戦しております。 ひょっとしたら次にUPする作品は別のものになるかもしれません。ゆっくりとお待ち下さい。 あと、スレ8の51に書き込んだ質問に答えてくださった方々にこの場を借りてお礼を申し上げます。 お礼を書き込もうと思っていたら流れがやたらと速くて返事を書き込む機会を見逃してしまったんです(泣 ゆっくり達の加工場からの脱出SSも近いうちに書きたいと思っているのでこちらもゆっくりとお待ち下さい。 書きたいSSが多すぎるがリアルでいそがしすぎる・・・。 おまけ(と言う名のチラシの裏2) fuku0740の「ゆっくりふぉんでゅ」を読んでビビっときました! ゆっくりちぇんの中身はブラックチョコレートに決定いたしました。 そしてゆっくりみょんの中身はホワイトチョコレートに決定! 霊夢・・・・・・粒餡 魔理沙・・・・・粒餡 アリス・・・・・カスタードクリーム パチュリー・・・生クリーム ゆゆこ・・・・・桜餡 れみりゃ・・・・肉まん フラン・・・・・あんまん れみりゃ希少種・手足や体も肉まん(成長して手足が生える、れみりゃ全体の1割にも満たない生息数) フラン希少種・・手足や体もあんまん(成長して手足が生える、フラン全体の1割にも満たない生息数) ゆかりん・・・・味噌餡(実際に味噌饅頭というものはあるよ。納豆が主流なので変えるか考え中。) えーき・・・・・鶯餡(髪が緑だから) ゆっくりちぇん・ブラックチョコレート(クリーム状) ゆっくりみょん・ホワイトチョコレート(クリーム状) 「ゆっくりふぉんでゅ」作者さんへ あなたの考えたゆっくりちぇんの中身を私のゆっくり達の標準設定として使わせていただきます。 もし嫌でしたら他の中身を考えます。 おまけEnd このSSに感想を付ける
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いままで書いたもの とかいはコーディネイター 植物型ゆっくり 蒼い空。雲ひとつ無い空。 清々しいまでに澄みきったその空で、箒に跨り黒の山高帽から金色の 長髪をたなびかせながら、魔法使い霧雨魔理沙は飛んでいた。 「いやぁ最近ずっと自分の部屋でキノコ弄ってたから久しぶりに霊夢 の所で酒盛りでもしたくなって飛び出して来ちゃったぜー。ちなみに アポイントメントはない」 まるで誰かに説明するような事を口走り、手に持った一升瓶をぶんぶ んと振り回しときたま近くを飛んでいる毛玉や妖精を殴って落としな がら魔理沙は空を征く。ちなみにキノコを弄るというのはいやらしい 意味合いは含まない。 「そんなこんなで神社に着いたんだぜ。うぉーい霊夢ー」 縁側で横になっている霊夢の後頭部に向かって手を振りながら、魔理 沙は地面に降り立った。 霊夢の後頭部は魔理沙の声に反応し、その場で縦に半回転、横に4/1 回転して、魔理沙の方に振り向いてずりずりと魔理沙の方へと這いよ ってきた。 手を上げた状態のまま魔理沙は凍りつく。 その間も霊夢の顔は魔理沙の膝元まで近付いてくる。 そして、とうとう縁側の縁までたどり着き、その奇妙に変形している 顔を更に歪ませて、ぴょいんと魔理沙の眼前まで跳ね上がり、歓迎の 言葉を口にした。 「ゆっくりしていってね!」 魔理沙は何も言えず咄嗟に手に持っていた箒で、飛んできたその霊夢 の膨れた生首を全身全霊の力を込めて打ち返した。 「で、何か言う事は?」 やや不機嫌そうな顔で、頭に×形の絆創膏を貼って瞳に涙を浮かべな がらも決してふてぶてしい表情を崩さない霊夢の生首を抱えながら、 不自然に腋を露出した紅白の巫女装束に身を包んだ博麗の巫女博麗霊 夢は、畳の上で正座して俯く魔理沙を見下ろしながらそう言った。 「悪気は無かった。出来心だった。ごめんねだぜ」 「だそうよゆっくり」 「次は気をつけてね!」 『ゆっくり』と呼ばれた生首が魔理沙を見下ろしながら元気良く言う。 魔理沙は内心「次もあるのか」と鬱くしい気分になったが、それを悟 られないように下げたくもない頭を下げる事で難を逃れた。 「で、それは一体何なんだ? 私は最近ずっと家に篭ってたから世情 に疎くて困るんだぜ?」 「れいむはれいむだよ! ゆっくり理解してね!」 「だそうよ」 「わけわからん」 魔理沙がそう言うと、そのゆっくりとやらは霊夢の腕の中でニヤリと 不敵な笑みを浮かべる。「お前の無知にはほとほと呆れて一週回って 笑いすらこみあげてくるよHahaha」とでも言いたげな、一発こ づいてやりたくなる面である。 「で結局それは何なんだぜ霊夢」 が、そこを黄金の鉄の塊でできた精神力でなんとか堪え、ゆっくりの 頭をべちんべちんと叩きながら霊夢に問う。 「まぁ簡単に言うと、喋るこれね」 霊夢は背後から白い饅頭の乗った皿を取り出してそう言った。魔理沙 はその饅頭に指を伸ばし、そのうちの一本を霊夢に掴まれれて反対側 に捻じ曲げられごぎりと嫌な音を立てた。 霊夢は綺麗に曲った指を放して一言。 「人のものを取ったら泥棒!」 「ゆ、指の骨が折れた……」 「人間には206本の骨があるのよ。一本くらい何よ」 どこか非現実的な自らの掌を眺めながら魔理沙はそう呟いた。そんな 魔理沙の事など放って霊夢はかいつまんだゆっくりの説明を始めた。 「ゆっくりっていうのは最近になって現れた、妖怪なんだか妖精なん だかよくわからない生き物の総称よ。なんだか知らないけどどこかで 見た顔を潰したような顔をしてるらしいわ」 「なぁ霊夢、この指の曲ってる所がなんかじんじんしてきたんだけど」 手元のゆっくりの頬をぐにぐにと弄りながら熱弁する霊夢の袖をくい くいと引っぱりながら魔理沙は言う。霊夢は、そんな魔理沙を華麗に スルーして説明を続けた。 「ほら、こいつもなんだかカラーリングが私に似てるでしょ。私はこ れしか見たことないけど、色々な種類がいるらしいわよ。アリスに似 た奴とかパチュリーに似た奴とかレミリアに似た奴とか。ちなみにこ の皿に乗ってる饅頭はこいつのほっぺを千切ったものよ。私でも食べ ないようなものを食べて饅頭をくれるってんだから本当に便利よね」 「えっぐ、指が痛いよぉ……ひぐ、うぇぇ……」 「あぁもう五月蝿い。ていっ」 霊夢は、嗚咽を漏らす魔理沙の異様に曲った指を掴むとそのままぐり んと捻り、コキャッという小気味のいい音を響かせた。すると、激し い痛みが一瞬襲ったが、すぐに痛みが引き、指も動くようになった。 「ほら、もう痛くないでしょ」 「ぐすっ、うん」 「ゆっくり泣き止んでね!」 「お前は黙れ」 見上げてくるゆっくりにびしっと言ってやると、ゆっくりは薄笑いを 浮かべたままおぉこわいこわいと呟いた。 「まぁアレだろ。要するに喋って食べれる面白生物って事だろ」 「ああ、それ良いわね。次から説明ではそう言うわ。うぇっぷ」 魔理沙が持ってきた一升瓶の中身を空にしながら霊夢はそう言う。普 段なら人の物を取ったら泥棒とか、自分の事を棚に上げた物言いをす る所だが別の物に興味が移っている今では、たかだか酒のひとつやふ たつなど、魔理沙にはどうでもいい事だった。 魔理沙は昼間っから堂々と酒を飲んで頬を赤く染めている酔いどれ巫 女に向かって、こう言った。 「そいつって何処にいけば見つかるんだ?」 「そんなわけで捕まえてみた」 「やめてね! やめてね! まりさをはなしてね!」 手の中でうぞうぞと動く面白生物を抱え、満面の笑みを浮かべながら 魔理沙は高らかに声を上げた。 魔理沙は手の中でもがく金髪のゆっくりを今一度眺める。 その饅頭は霊夢の所で見たそれよりもやや色白で、ぐずぐずと惨めに 涙を零しているが、どこかふてぶてしかったあの饅頭と比べると少し だけ愛嬌がある顔をしているのがわかる。 「きっと私に似てるからだな。やっぱり冷血巫女よりやはり魔法使い だな」 「へんなこといってないでまりさをはなしてね! おうちかえる!」 「しかし良く泣くなぁこいつ」 手の中でひたすらに涙と泣き言を垂れ流すそいつを見ながら魔理沙は そう呟いた。 どうして魔理沙がこのような生き物を手に入れようと思ったのか。 どこぞの巫女のように今日の糧にも困る生活を送っているからではな い。ただ単純になんだか面白そうだと思ったからだ。いわゆる知的好 奇心という奴である。 しかし、それにしてもこれは五月蝿すぎる。魔理沙は耳に突っ込んで いた指を抜いて、それの頭目掛けて軽く振り下ろした。 「泣き止めー!」 「ゆびぇ?!」 先刻、神社で霊夢のゆっくりに放った箒の一撃に比べれば余りに弱い 一撃。「そんなチョップじゃ蚊も殺せないよ」と薄笑いを浮かべられ るであろう一発であった。 が、 「ゆ゛あ゛ーーーーーー! いだいよーーーーーー!」 その金髪のゆっくりは、瞳に溜めた涙を一気に溢れさせて更に大袈裟 に泣き出した。 「どぼじでごんなごどずるのー?! ばりざなにもわるいごどじでな いのにー?!」 「あ、そ、その……ごめんなさい」 予想だにしない展開に思わずそのゆっくりを放して頭を下げて丁寧語 で謝ってしまう。 「ゆっ、おねーさんがはなしてくれたよ! いまのうちにゆっくりに げるよ!」 その隙に背を向けて逃げ出すゆっくり。魔理沙はすぐに正気に返りゆ っくりの後を追おうとするが、ある事を思いつき、慌ててその場に踏 みとどまった。 「そうか、ここでアホ面下げて追いかけた所を罠にハメる作戦だった んだな! その手は食わないんだぜ!」 そんな事を言ってる間にゆっくりは茂みの中へと潜っていった。 「フフフ、さぁ何処だ……何処から来る!」 魔理沙は全神経を集中させて相手の出方を伺う。 一分、二分。三分。 五分ほどが経ち、魔理沙は黙って足元の草を掻き分け、ゆっくりが飛 びこんだ茂みを上から覗き込んだ。 「ここならゆっくりできるよ~♪」 そこには、魔理沙から逃げ切れたと信じて疑わないゆっくりが嬉しそ うにぐねぐねと動いていた。 「本気で逃げてたんかいー!」 「ゆぐぇ?!」 乙女の純情を弄ばれ深く傷ついた魔理沙の憤りのストンピングがゆっ くりの脳天に突き刺さり、ゆっくりは潰れたカエルのような声を上げ た。 「どぼじでおねーざんごごにいるのー?!」 「五月蝿い! 私の期待を裏切りやがって! くぬっくぬっ!」 「やべでー! ばりざにひどいごどじないでねー?!」 魔理沙は地面に這い蹲るゆっくりを箒の先っちょでちくちくする地味 な嫌がらせを敢行する。ゆっくりが逃げようとするたびその方向に先 周りして移動の勢いを利用したカウンターちくちくを喰らわせる。 「ゆ、ゆっぐ」 逃げようとする度に顔面を凄まじい激痛が襲う。かと言って動かなけ ればこの責め苦から逃れられない。一体どうすればいいのかわからず にただひたすら涙を流す。 そのゆっくりの様子を見ていると、魔理沙はなんだかちょっと胸の奥 がむずむずするような感覚を覚えて、箒に込める力を強めてしまう。 ゆっくりが跳ぶ、魔理沙が箒で叩き落してつつく。 ゆっくりが這う。魔理沙が足で上から押さえつけてつつく。 ゆっくりが泣く。魔理沙の心が躍る。 どうやっても魔理沙からは逃れられない。数十分の足掻きの末、それ を理解したゆっくりは。 「ゆっぐりでぎなっ……エレエレエレ!」 口から黒々とした餡子を吐き、見る見るうちに黒ずんで。 「もっど、ゆっぐりじだがっだ……」 最後に一言だけを残して、この世を去った。 ゆっくりの遺体を前にした魔理沙の心に後悔は無かった。ただ自分は ちゃんとやり遂げたという爽やかな清々しさがあった。 おわれ 後日談。 「というわけで全然楽しくなかったんだぜ」 「それは弱い方のゆっくりね」 「弱い方?」 「なんだかこいつらにも種類があるみたいで、あんたが見つけたのは たぶん饅頭の癖に交尾とか出産とかするやたらと弱い奴ね。なんでも ちょっと殴っただけでも死ぬらしいわよ」 「ふーん。ところでまた指が痛くなってきたんだけど」 「え、まさか病院(永遠亭)行かなかったの?」 「え、まさか饅頭取ろうとしたくらいで病院行かなくちゃならないよ うな怪我させたの?」 このSSに感想をつける